2020年8月25日

あなたは今、満たされていますか？　〜新しい切り口の『自己分析』〜

転職活動を行っていると、「『自己分析』が重要ですよ」という言葉を、いろいろな場面で見たり聞いたりするかと思います。

『自己分析』、確かに重要です。

ただ、『自己分析』には多くの切り口があることをご存知でしょうか。
自分のスキル・能力の分析を行うための『自己分析』もあれば、自分がどのような仕事に就きたいか、またはどのような仕事に向いているかを分析するための『自己分析』もあります。

今回は、あなたが「なぜ転職したいと思っているのか」という、転職の動機に関する『自己分析』についてお伝えしたいと思います。

＜マズローの欲求5段階説＞

まずは、少し難しい話からスタートします。

人は誰でも何らかの欲求を持っており、その欲求を満たすために行動します。

人間の欲求についてはこれまでさまざまな研究がなされてきましたが、その中でも有名なのが【マズローの欲求5段階説】です。

マズローの欲求5段階説とは、アメリカの心理学者エイブラハム・マズローが提唱した理論で、「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と仮定し、人間の欲求を5段階に理論化した説です。
人間には5段階の欲求があり、一つ下の欲求が満たされると次の段階の欲求を満たそうとする基本的な心理的行動を表しています。

それぞれの欲求に関しての詳細な説明は省きますが（詳しく知りたい方はコチラ）、これを転職動機に当てはめて考えるとどうなるか見ていきましょう。

１．生理的欲求（Physiological needs）
ちゃんと食べたい。とにかく寝たい。人並みに休みたい。

２．安全の欲求（Safety needs）
毎月の支払いにおびえずにすむ生活を送りたい。不安定な雇用状態から脱したい。

３．社会的欲求（Social needs）　※所属と愛の欲求（Love and belonging）とも
人間関係の良い職場で働きたい。

４．承認欲求（Esteem）
上司から褒められたい。役職につきたい。「あの人仕事できるよね」と言われたい。

５．自己実現欲求（Self-actualization）
自分の能力や可能性を引き上げたい。自分の限界に挑戦したい。理想の自分になりたい。

毎日始発から終電まで働き、休日出勤でせっかくの休みもつぶれ、食事休憩も満足に取れない…１が満たされていないこのような危険な状態なら、迷うことはありません。速攻で転職しましょう。
毎月の家賃の支払いが心配で仕方がない、いつ「明日から来なくていいよ」と言われるかとおびえながら毎日を過ごしている…２が満たされていない状態もかなりつらいですよね。速攻で転職しましょう。

転職の理由で一番多いと言われているのが【人間関係】ですが、ここに不満があるということは、上の説明でいう３や４の欲求が満たされていない状態になっているということです。
具体的に言うと、会社になじめない、職場の人間関係が悪い、上司や同僚に自分の価値を認めてもらえない、などでしょうか。
自分の居場所がないと感じる会社で日々仕事をしたり、他人からの評価が得られない環境で頑張り続けたり…こんな状態もかなりしんどいですね。
IDEAL REWARDにも、これらの欲求が満たされていない多くの方が、新しい環境を求めて転職の相談にいらっしゃいます。

３や４が「他人から受け入れられたい」「他人から認められたい」という自分以外の環境に対する”外向き”の欲求であることに対し、他人がどうこうというよりも「自分の実力を最大限活かしたい！」という”内向き”の欲求になっている段階が、５です。
このレベルになると、１～４の欲求はすでに満たされている状態であるはずなので、とにかく「自分が実現したいこと」に集中できるようになります。

自分のレベルを高めたい、もっと自分の実力が発揮できる場所で活躍したいと、転職を考えていらっしゃる方も多いと思いますが、ここで気を付けなければならないことがあります。
転職すると、それまで３と４が満たされていた（であろう）職場とは全く異なる環境に身を置くことになります。転職先を探す際には、「３と４を満たせるかどうか」という視点を持っていなければ、５を実現するために全力をそそぐことができず、結果的に望まない転職を繰り返すことにもなりかねません。