2020年10月22日

口頭だけの内定通知は危険です

口頭だけの内定通知は危険です

「口頭で内定と言われたので、その他の選考を辞退したい」と、求職者の方から言われることがあります。
面接内で内定と言われたら嬉しいですよね。
第一志望であればすぐにでも返事をしてしまいたいという気持ちはよくわかります。
…ですが、転職活動の成功は、「内定獲得」ではなく満足な条件での仕事と入社後の活躍のはずです。
大切なことを確認していない段階で、内定承諾や他社選考を辞退するのはリスクが高いので、一度落ち着いて考えるようにしましょう。

では、具体的にどんなリスクがあるのか?その対処法を含めてお伝えします。

 

■内定取り消しの可能性あり⁈

前提として、企業側からの「内定」は口頭通知でもその効力を発揮します。
そのため、下記のような『内定取り消しが可能な条件』に当てはまらない場合、一方的な内定取り消しは認められません。

~内定取り消しが可能な条件~
1.内定者が経歴詐称をしていた場合
2.内定者が犯罪を犯した場合
3.企業側に予測できないような経営悪化が起きた場合
4.病気や事故などで内定者が勤務ができない状態になった場合

ただし万一企業側から「内定と伝えた覚えはない」と言われた場合、口頭のみだと証拠となる物証を提出できない可能性があります。
「他社選考を全て辞退した後で内定取り消しになり、これまでの転職活動が白紙になってしまった…」
そんな最悪の事態を避けるために、発言を裏付けるような証拠となる状況証拠として、”内定通知書”を発行してもらうことがベストです。
尚、”内定通知書”を発行していない企業の場合は、メールで「面接内で内定と言われた」ことを企業側へ伝え、その事実を認める文面を返信してもらう等が有効です。

■雇用条件が希望通りじゃないかも…!

入社前に、”内定通知書”とは別に”労働条件通知書”も受け取ることをオススメします。
労働基準法第15条で「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない」と定められており、企業は採用予定者へ労働条件を通知する義務があります。

実は、面接内で「年収○○万円出しますよ」と言われていても、実際に内定が出たら何十万円も低く提示された…ということも珍しくないのです。
理由は企業によって様々ですが、「現実的に給与算出すると社内バランス的に高く出せなかった」「一次面接では評価が高かったものの最終面接で評価が下がってしまった」「各面接官での認識相違」等が多く挙げられます。

入社後に給与が低いことを知るなんて嫌ですよね。
昨今では書面で発行していない企業も多いため、メールの文面だけでも貰うようにしましょう。
そうすることで入社後に条件の相違で悩むリスクが少なくなります。

~よく聞く通知書の違い~
<内定通知書>
”内定通知書”とは、企業が「労働契約の申し込みを承諾する意思表示」を示す書類です。
併せて”内定承諾書”を発行し、その返信をもって内定者からの入社承諾を確定するというフローにしている企業も多いです。
尚、先述の通り、企業側の「内定」は、書類だけでなく、口頭での通知だけでもその効力を発揮します。そのため、”内定通知書”の発行に法的義務があるわけではありません。
ちなみに求職者側の内定承諾についても同様で、口頭で承諾の意思表示をした段階で労働契約が成立していると判断されますので注意しましょう。
 
<採用通知書>
”採用通知書”は、求職者に対して「正式な採用決定」を伝えるために発行します。
一般的な流れは、内定通知書を送り承諾を得た後に”採用通知書”を送るのですが、”採用通知書”のみを送るケースや雇用形態によっては電話やメールで伝える企業も珍しくありません。
 
<労働条件通知書>
”労働条件通知書””とは、「企業側から採用予定者に対して雇用契約を結ぶ」ときに示す書類のことです。
記載すべき内容としては、労働契約の期間・就業場所・業務内容・始業と終業時間・休憩時間などであり、休日や賃金の計算方法、解雇を含む退職に関する事項などを盛り込みます。
”労働条件通知書”を労働者に対して示すときには従来は紙のみとなっていましたが、2019年4月以降は労働者の同意を条件として、PDFデータやメールで通知することも可能となっています。

 

入社後に「こんなはずでは…」「思っていた条件と違う…」と後悔しないために、適切な方法で雇用条件を確認し、不安や疑問点を解消してから内定を承諾しましょう。
しかし、内定通知書の催促など、必要と分かっていても躊躇してしまう…という方も多いかと思います。
IDEAL REWARDでは直接企業へ聞きづらい労働条件の詳細や入社までのスケジュール等もしっかり確認し、丁寧にサポートいたします。
お気軽にご相談くださいませ。

 

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